発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009052485
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40歳女。巨大骨盤内腫瘍の手術目的で入院中であったが、入浴中、突然呼吸困難からショック状態となった。下肢深部静脈血栓症(DVT)の既往があり、状況から急性肺血栓塞栓症(PTE)と診断し、気管内挿管を行い、ICUへ移送した。経皮的心肺補助装置を装着して循環動態を安定させた後、経胸壁エコーで肺動脈本幹から左右肺動脈分岐部までの広範囲な血栓、および著明な右心負荷像を認めた。緊急血栓摘除術を施行し、主肺動脈から両側末梢肺動脈まで連続する巨大なT字型新鮮血栓を認め、ほぼ一塊に摘出した。右心機能の改善に伴い血行動態も安定し、第24病日に骨盤内腫瘍(卵巣癌)を摘出した。その後化学療法を行い、PTEの発症もなく、第38病日に軽快退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008