発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008300307
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68歳男。前胸部痛と呼吸苦を主訴とした。頭皮血管肉腫に対し2度の頭皮切除術の既往を認めた。胸部CTにて右気胸と薄壁の嚢胞性病変を両肺野に多数認め、転移性肺腫瘍に伴う嚢胞が破裂して生じた気胸と診断し、胸腔鏡補助下に破裂嚢胞2ヶ所と未破裂嚢胞1ヶ所を合併切除した。術後4ヵ月で左前胸部痛と呼吸苦が出現し、胸腔鏡補助下に嚢胞切除と肺縫縮術、癒着目的の胸膜剥離を行ったが、再手術後第13病日に右気胸、第23病日には左気胸も再発したため、増悪が著しい右気胸に対し再手術を施行した。右肺は全体で嚢胞状に変化した胸膜が破裂し、肺表面・横隔膜面に無数の血豆上変化を認め、明らかな気漏部を可及的に縫合閉鎖したが、術後両側肺からの気漏は増悪し、呼吸不全悪化のため第3回手術後4日目に死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008