発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008208421
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98歳男。39年前に完全房室ブロックにてペースメーカ植込み術(PMI)を行い、PMI、ペースメーカ交換(PME)を計15回繰り返し、外来経過観察を行っていたが心電図でペーシング不全、リード断線を疑い緊急入院となった。X線にて左前胸壁にペースメーカ、右中肺野に遺残リードを認め、心胸郭比(CTR)64.5%の拡大と右胸水貯留を認めた。明らかとなった断線リードを切断し、創部を閉鎖し、大腿静脈より体外式ペーシングリードを留置してペーシングを行った。CTにより上大静脈閉塞と側副血行路の発達を認め、右大腿静脈から穿刺法でペースメーカリードを挿入し、右室心尖部にリード先端を固定、ペースメーカ本体は右下腹部腹直筋鞘上にポケットを作成し、体外式ペーシングリードは抜去した。術後発熱を認めたが創部に感染徴候は認めず、術後22日目に退院した。現在経過観察中でペーシングは順調で心不全も軽快した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008