動脈スイッチ手術の工夫と遠隔成績
特殊例の手術 完全大血管転位、両大血管右室起始以外の疾患における動脈スイッチ手術の工夫と遠隔成績
白石 修一
1
,
八木原 俊克
,
鍵崎 康治
,
萩野 生男
1国立循環器病センター 心臓血管外科
キーワード:
大血管転位症
,
治療成績
,
大血管スイッチ手術
,
単心室
,
肺動脈絞扼術
Keyword:
Arterial Switch Operation
,
Transposition of Great Vessels
,
Treatment Outcome
pp.311-315
発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008178596
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当センターで動脈スイッチ手術(ASO)を施行した9例(修正大血管転位(c-TGA) 8例、左室型単心室(DILV) 1例)を対象に、その術式工夫と遠隔成績について検討した。その結果、c-TGAにおけるダブルスイッチ手術やDILVにおけるventricular septation手術の際のASOは通常のTGAに対するASOとほぼ同様の手技であった。早期死亡はなく、ASOに関連する再手術を要した例もなかった。術後平均観察期間は8.9年であった。c-TGAの1例は術後1年半に心不全にて死亡した。肺動脈狭窄の発生に関しては、Lecompte法により肺動脈再建を施行した1例(11.1%)で両側肺動脈分岐部の狭窄を認め、経過観察中である。大動脈閉鎖不全に関しては、DILVの1例で術後19年経過した現在3度の閉鎖不全を認め、経過観察中である。その他にはASOに関連した合併症ならびに再手術はなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008