発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008042666
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54歳女。胸部異常陰影を指摘され受診となった。以前より、嚥下困難、顔面および左上肢の浮腫を認めていた。胸部CTおよびMRIにて、前縦隔に隔壁を有し左腕頭静脈を下方へ圧排する不均一な腫瘤を認め、FDG-PETでは上縦隔に中等度の集積を認めた。胸骨正中切開にて手術を施行したところ、腫瘍は左腕頭静脈と強固に癒着していた。腫瘍への流入・流出血管として腕頭動脈および左腕頭静脈からの数mm大のものに加え細い枝をいくつか認めたが、腫瘍と甲状腺との連続性は認めなかった。病理組織学的には大小の濾胞からなる甲状腺組織であり、腺腫様甲状腺腫であった。術後顔面および上肢の腫脹、胸のつかえ感は改善し、術後11日目に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007