発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009298961
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64歳女。検診で胸部異常陰影を指摘され当科紹介となった。胸部X線で右上縦隔に突出する腫瘤陰影と、気管上部を圧排する所見を認めた。胸部CTで両側の甲状腺は腫大し、不均一に造影された。甲状腺は両葉とも縦隔内に進展していたが、主に左甲状腺より気管上部を圧排するように気管傍から後面に及び、下縁は気管分岐下まで達していた。縦隔内甲状腺腫と診断し、縦隔内進展が8cmであり、気管圧排所見を認めたため、腫瘍切除術を施行した。腫瘍は一塊に切除可能であり、病理組織所見は結節様であったが被膜は認めず、濾胞上皮に異型性がみられなかったため、腺腫様甲状腺腫と診断した。術後経過は良好で、第8病日に退院となり、退院時X線で気管の偏位は解除していた。術後9ヵ月の現在、無再発で生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009