発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008042657
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52歳男。包丁による自殺を図り頸部・腹部からの出血を主訴とした。救急搬入時は意識清明で頸部2ヶ所と腹部1ヶ所に切創を認めたが、頸・腹部の皮下気腫および腹膜刺激症状は認めなかった。頸部・胸部X線および頸部・胸部・腹部CTにて頸部から縦隔、右肩甲骨の気腫と右腹直筋の血腫を認めたが、肝損傷を示唆する所見は認めず、気道損傷と診断した。その後急速に皮下気腫と呼吸状態が増悪したため、経口的に気管内挿管を行い手術を施行した。刺創は第1、2気管軟骨間の輪状靱帯、甲状腺峡部・右葉に達していたため、甲状腺右葉切除後、気管軟骨をデブリドマンし一期的縫合で修復した。術後7日間は気管内チューブを留置し、経過良好で23日目に退院した。退院後はアルコール依存症のため精神科に通院していたが、1年4ヵ月後に縊頸自殺を図り死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007