心不全治療の新展開-外科医との共働による新たな治療戦略
《心不全に対する外科治療の新展開》 心臓移植後の免疫抑制治療
布田 伸一
1
1東京女子医科大学東医療センター 心臓血管診療部
キーワード:
Ciclosporin
,
Steroids
,
医事法制
,
移植片拒絶
,
術後管理
,
心臓移植
,
心不全
,
多剤併用療法
,
免疫抑制療法
,
Tacrolimus
,
冠血管造影
,
年齢因子
,
Everolimus
,
Mycophenolate Mofetil
Keyword:
Everolimus
,
Age Factors
,
Drug Therapy, Combination
,
Graft Rejection
,
Heart Failure
,
Legislation, Medical
,
Immunosuppression
,
Mycophenolic Acid
,
Postoperative Care
,
Steroids
,
Tacrolimus
,
Heart Transplantation
,
Cyclosporine
,
Coronary Angiography
pp.95-99
発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011295257
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●2010年7月17日の改正臓器移植法施行により、成人心臓移植件数は著増し、小児に対しても道は開かれた。今後わが国において心臓移植後の管理がこれまで以上に注目されてくる。●心臓移植後は、まさに拒絶反応との戦い、つまり免疫抑制治療である。1980年にciclosporinが心臓移植に使用されてから今日の心臓移植の興隆ははじまり、その後わが国で開発されたtacrolimusとともに、現在は、カルシニューリン阻害薬(ciclosporinとtacrolimus)に、核酸合成阻害薬(mycophenolate mofetil)とステロイド使用の三薬併用療法が主体である。●近年は急性拒絶反応や感染症等の急性期問題から慢性期問題(移植心冠動脈病変、悪性腫瘍、腎機能障害、等)に注目点が移っている。●慢性期の問題にはproliferation signal inhibitorであるmTOR阻害薬のeverolimusが期待される。
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