発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007324261
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
74歳男。臥位時に苦しくなることがあった。労作時に呼吸困難が増強し、起坐呼吸となった。心電図所見では房室ブロックと完全左脚ブロックを認めた。心エコー所見では、大動脈弁は二尖弁で、中等度の弁逆流および狭窄を認めた。僧帽弁の前尖、後尖、腱索はともに肥厚、硬化、短縮し、接合不全による高度逆流を伴い、また僧帽弁口は軽度狭窄傾向を認めた。さらに中等度三尖弁逆流を認めた。大動脈弁は二尖弁で、硬化高度で中等度の弁逆流および狭窄を呈しており、生体弁による弁置換の方針とした。僧帽弁は、前尖弁腹の硬化が軽度であれば前尖パッチ拡大による弁形成術を、また狭窄傾向があるため弁輪サイズを確認の後弁輪縫縮は行わない方針とした。術後19日目に退院し、術後2年2ヵ月の現在、心エコーにて僧帽弁逆流の再発ならびに狭窄傾向はみられない。
©Nankodo Co., Ltd., 2007