発行日 2007年6月1日
Published Date 2007/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007226681
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症例は60歳女性で、40年前より高血圧、11年前に骨髄異形成症候群、7年前よりII型糖尿病、3年前より大動脈炎症候群を認め、咳、呼吸困難を主訴に入院となった。大動脈造影では上行・弓部大動脈とその分枝動脈は拡張しており、下行大動脈は狭窄し、Th9レベルで最も強い狭窄を認めた。胸部CTでは下行動脈の狭窄部に厚い石灰化が存在し、動脈壁の石灰化は鎖骨下動脈起始部にも認めた。血圧は降圧薬でもコントロール不能で、心機能の低下もみられた。心不全を伴う高安動脈炎による異型動脈狭窄と診断し、動脈炎が寛解期であったため、非解剖学的バイパス術を施行した。術直後より降圧効果が得られ、心機能も次第に改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007