発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007094851
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原発性肺癌完全切除例945例を対象に再発例の長期予後について検討した。その結果、術後5年以上の最終観察時点で、再発例は360例(38%)、無再発例は585例であった。再発例の術後5年・10年生存率はそれぞれ27%・10%と、無再発例の84%・70%と比べ有意に予後が悪かった。術後病理病期別ではI期26%、II期52%、III期69%、IV期93%と病期がすすむほど再発率が高く、更に5年・10年生存率も病期がすすむほど低かった。再発確認から死亡までの明らかな263例の検討では、うち228例(87%)が再発後3年以内に死亡し、その死因はすべて肺癌であった。一方、再発後5年以上の生存例は38例、うち21例は現在も生存中であった。また、再発後10年以上の生存例は4例で、これらの症例は再発後の治癒例とみなされ、いずれも治療の主体は転移巣の摘出であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2006