発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006153674
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重症肺気腫に対する肺容量減少術(LVRS)に際し,multi-detector row CTによる多断面再構成画像と肺換気・血流シンチグラム(LS)のSPECT画像を融合させ,三次元画像で気腫性変化が最も強く,集積低下が最も著しい領域を表示して切除範囲の指標とした.この画像診断学的指標が有用であった2例(症例1:50歳男,症例2:62歳男)を以下に提示した.症例1はCTで両肺にびまん性に気腫性変化を認め,上葉で変化が強かった.LSで同部に一致して集積低下を認め,その一致部位である右S1とS2,左S1+2を切除した.症例2はCTで両肺にびまん性に気腫性変化を認め,やや不均一であったが,切除範囲の設定は困難であった.LSでは右中葉と左上葉の集積が概ね保たれ,右S1と左S6で著しく集積が低下し,左S1+2の縦隔側で低下していた.このため右S1と左S6を中心に切除し,左S1+2の縦隔側の一部を切除範囲に含めた.両症例ともLVRS後に自覚症状は改善し,残存肺の膨らみは良好であった
©Nankodo Co., Ltd., 2006