投稿論文 短報
肺高血圧症を有する気腫合併肺線維症患者に発症した気胸に対してveno-arterial extracorporeal membrane oxygenation(VA-ECMO)補助下で胸腔鏡下肺縫縮術を施行した麻酔経験
牧田 英恵
1
,
原 祐子
,
大津 聡太
,
北川 愛子
,
中川 裕一
,
藤井 文
1伊勢赤十字病院 麻酔科
キーワード:
気胸
,
胸腔鏡法
,
胸部X線診断
,
肺気腫
,
肺高血圧症
,
一酸化窒素
,
Milrinone
,
肺容量減少手術
,
ECMO
,
Sivelestat
,
肺線維症-特発性
Keyword:
Hypertension, Pulmonary
,
Extracorporeal Membrane Oxygenation
,
Thoracoscopy
,
Radiography, Thoracic
,
Nitric Oxide
,
Pneumothorax
,
Pneumonectomy
,
Pulmonary Emphysema
,
Idiopathic Pulmonary Fibrosis
,
Milrinone
,
Sivelestat
pp.68-72
発行日 2021年1月10日
Published Date 2021/1/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021142727
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58歳男。特発性肺線維症に対し他院で経過観察中に右気胸を発症し、持続胸腔ドレナージと複数回の胸膜癒着術および気管支充填術を施行され、約2ヵ月の入院を経て自宅退院した。退院5日後に胸痛と呼吸困難感が出現し、当院に救急搬送された。右気胸再発の診断で胸腔ドレナージを行い、胸腔鏡下肺縫縮術を施行する方針となった。右室機能の低下や肺高血圧を認め、患者の全身状態と術式を考慮すると、通常の陽圧換気と分離肺換気による呼吸管理は困難と考えられ、術中に循環動態不安定となった場合には速やかにVA-ECMOを使用できるよう準備したうえで手術を開始した。肺高血圧は術中も持続し、肺体血圧比が1.0を超えたため、この状態では危険と判断してVA-ECMOを開始し、以後良好に経過した。
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