発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006034943
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胸腔鏡下胸腺腫摘出術における術前胸腺静脈造影の有用性を検討した.方法は,健常成人10例(男性7例,女性3例・30~67歳)のmultidetector-row CT(MD-CT)画像データを用いて胸腺静脈の描出を試みた.10例とも横断像で胸腺静脈を確認でき,縦隔内の脈管構造のmaximum intensity projection(MIP)画像で良好な画像として胸腺静脈を認めたのは9例で,1例は横断像で径1mm弱の細い胸腺静脈であった.胸腺静脈は1mm弱~3mmの太さで1~4本を認め,各胸腺静脈の流入先が異なる例もあった.胸腺腫2例(21歳男性,38歳女性)では,ともに横断像・MIP画像で胸腺静脈が描出され,1例は2本で左腕頭静脈と右内胸静脈に1本ずつ流入し,1例は3本で左腕頭静脈,右内胸静脈,上大静脈に1本ずつ流入していた.胸腺腫摘出術時にCTで描出された胸腺静脈を全て確認でき,術前胸腺静脈造影は有用と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005