発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006102462
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20歳女.統合失調症で入院加療中に胸痛及び頻脈が出現し,心疾患が疑われた.画像検査で,心臓左側に液体が貯留する心臓とほぼ同じ大きさの腫瘤を認め,左肺は無気肺状態であった.全身状態改善後に手術を予定したが,精神科病棟での管理であったため胸水及び心嚢液の排液が行われず,炎症所見の改善が見られなかった.臨床所見より奇形腫の胸腔内穿破が疑われ,患者の状態から手術及び集中管理が可能と判断し出術を施行した.心嚢切開後,心嚢液と胸水を吸引し,心嚢と癒着が強い左横隔神経を合併切除した.腫瘍は厚い壁を有し,中心部には表面に毛髪が見られる白色の結節を認め,一部に膵組織が見られた.術後経過は良好で,炎症所見及び全身状態も改善した
©Nankodo Co., Ltd., 2005