発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006051527
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症例1は胎児エコーにて右肺嚢胞を指摘されていた1歳11ヵ月女児で,生後15日の胸部CT検査で多房性嚢胞性病変を指摘されたが,無症状にて経過観察されていた.1歳9ヵ月時に先天性嚢胞性腺腫様奇形(CCAM)を感染巣とした肺炎を発症し,肺炎軽快後に右中葉切除術を施行した.病理組織学的所見では嚢胞は炎症細胞浸潤で消失しており,慢性肺炎の所見であった.術後11日に退院となり,術後7年経過の現在,発育は順調である.症例2は胎児エコーにて右肺嚢胞を指摘されていた11ヵ月女児で,生後4日の胸部CTにてCCAMと診断された.感染の危険性を考慮して生後11ヵ月時に左下葉切除術を施行し,病理組織学的所見では病変は3×3×2cm大で嚢胞の大きさは3mm程度までで,嚢胞壁は終末~細気管支上皮類似の円柱上皮と筋線維性の壁で構成されており,CCAMのStocker分類IIまたはIII型と診断された.術後8日目に退院となり,術後2年の現在経過は良好である
©Nankodo Co., Ltd., 2005