【局所進行肺癌の外科治療2005年】 拡大術式 大動脈の切除･再建を伴うT4肺癌の外科治療

大動脈の切除･再建を伴うT4肺癌の外科治療について検討した.対象は,人工心肺を用いて大動脈切除･再建を伴う手術を行った原発性肺癌6例(全例男性,年齢48～69歳)で,組織型は扁平上皮癌5例,未分化癌1例,術式は肺部分切除+弓部置換2例(下行置換1例),肺摘除+下行置換3例,(左房合併切除,食道外膜筋層切除各1例),一葉切除+肺動脈再建1例,補助手段は一時的バイパス1例,部分体外循環4例,完全体外循環1例であった.術中合併症は,一時的バイパス使用例の低血圧,不整脈のみで,人工心肺使用例には認めなかった.術後合併症は,重症の対側肺炎を1例(2ヵ月後在院死亡)に,嗄声を3例に認めた.また,在院死を除く5例に術後放射線療法を行った.予後は癌死1例,無再発生存中4例であった