特集 胸部の最新画像情報2016
診療
喀血患者における320列CTを用いたダイナミックスタディ(4Dスタディ)での体循環動脈 肺動脈シャントの同定と評価
西山 晃
1
,
東出 高至
,
杉浦 寿彦
,
雑賀 厚至
,
太田 丞二
,
堀越 琢郎
,
笠原 靖紀
,
田邉 信宏
,
巽 浩一郎
,
宇野 隆
1千葉大学医学部附属病院 放射線科
キーワード:
喀血
,
気管支動脈
,
血管造影
,
血管瘻
,
肺動脈
,
後向き研究
,
マルチスライスCT
,
四次元CT
Keyword:
Angiography
,
Bronchial Arteries
,
Hemoptysis
,
Pulmonary Artery
,
Retrospective Studies
,
Vascular Fistula
,
Four-Dimensional Computed Tomography
,
Multidetector Computed Tomography
pp.219-226
発行日 2016年1月10日
Published Date 2016/1/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016139085
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喀血患者における320列CTを用いたダイナミックスタディ(4Dスタディ)での体循環動脈について検討した。320列CTを用いた4Dスタディを行い、その後に血管造影検査・塞栓術を施行した9例(男性3名、女性6名、32~83歳)を対象とした。いずれも喀血部位と血管造影検査で同定したシャント部位は一致した。シャントの体循環側の責任血管は気管支動脈8例、胸壁の動脈1例であった。肺血管は全て肺動脈で、全例で止血が得られた。4D画像では、全例で喀血の原因となっているシャント血流を確認した。7例において2D画像上で関心領域を設定でき、CT値の測定とそのダイナミックカーブの作成を行った。2例は背景肺のコンソリデーションの内部にシャント部位があり、肺血管の形態が認識できず、関心領域を設定できなかった。シャント部位のCT値のダイナミックカーブは二峰性の上昇を呈し、一つめのピークは肺動脈幹よりも低いCT値、二つめのピークは高いCT値を呈した。
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