発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004199695
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末梢型非小細胞肺癌に対し術中迅速病理診断を用いて施行した積極的縮小手術の成績を検討した.1996年4月から2002年12月までに経験した臨床病期IA期の末梢型非小細胞肺癌163例中腫瘍径2cm以下は91症例あり,このうちの27例に積極的縮小手術が行われた.術中迅速病理診断で野口分類typeA,Bを確認した8症例には積極的部分切除が施行され,観察期間中,全例再発なく生存中である.野口分類typeA,B以外で術中迅速病理診断にてリンパ節転移を認めなかった非細胞肺癌19例には積極的拡大切除+ND2aが施行され,5年生存率は91%であった.なお,同時期に臨床病期IA期の肺癌で肺葉切除+ND2aを施行した90例の5年生存率は79%であった.積極的縮小手術は標準手術と同等の長期成績であり,術中迅速病理診断で対象症例を厳密に定めることから,安全・確実な術式であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004