発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004199694
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臨床病期IA末梢型小型肺腺癌例において術前,術中諸因子がリンパ節郭清(ND)省略の指標と成り得るかを検討した.ND2を施行した臨床病期IA,腫瘍径20mm以下の末梢型小型肺腺癌181例を対象とし,これらを病理病期N因子にてN(+)群,N(-)群に分けて術前諸因子(年齢,性別,腫瘍マーカー,CT因子),術中因子(胸腔洗浄細胞診),病理所見を検討した.その結果,単変量解析では「すりガラス状陰影(GGO)の面積比率(GGOR)25%以上」「胸腔洗浄細胞診陽性」が寄与因子であり,一方,多変量解析では「GGOR25%以上」「胸腔洗浄細胞診陽性」「CT上胸膜接地あり」が有意な寄与因子であった.今回の検討においてGGOR50%以上の症例ではリンパ節転移はみられなかったことから,臨床病期IA,腫瘍径20mm以下の末梢型小型肺腺癌においては「CT上胸膜接地なし」「GGOR50%超」かつ「胸腔洗浄細胞診陰性」であれば系統的NDは省略可能と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004