特集 パラダイムシフトする翻訳制御研究
microRNA機構とRNA結合タンパク質による遺伝子発現制御
深尾 亜喜良
1
,
藤原 俊伸
1近畿大学 薬学部
キーワード:
mRNA
,
遺伝子発現調節
,
神経系
,
神経可塑性
,
タンパク質生合成
,
RNA-Binding Proteins
,
RNA安定度
,
Eukaryotic Initiation Factor-4A
,
MicroRNAs
Keyword:
Gene Expression Regulation
,
Nervous System
,
Neuronal Plasticity
,
RNA, Messenger
,
Protein Biosynthesis
,
RNA-Binding Proteins
,
RNA Stability
,
MicroRNAs
,
Eukaryotic Initiation Factor-4A
pp.767-771
発行日 2015年7月22日
Published Date 2015/7/22
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microRNA( miRNA)は植物からヒトまで進化的に保存されたタンパク質をコードしない小さな RNA分子で,標的mRNAの安定性や翻訳を制御する.最近の研究から,このような miRNA機構に poly(A) 短鎖化に依存しない翻訳抑制機構の存在が示唆され,その作用点が翻訳開始の初期段階であることが明らかになってきた.さらに,神経分化・シナプス可塑性のような高次生命現象には部位特異的な遺伝子発現調節機構が必須であり, miRNA機構は RNA結合タンパク質と協調的に働くことでそれを可能にしていることが明らかになりつつある.本稿では, miRNAによる純粋な翻訳抑制機構の解明につながる最新の知見を紹介するとともに, miRNA機構と RNA結合タンパク質の密接な関わりについて議論したい.
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