発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013323223
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36歳女。豚レバーを週一回程度、生食していた。糞便中に白色小物体が排泄されていることに気付き近医に受診したが、問題視されず2年間放置していた。便中の白色小物体が活発になり「虫に違いない」と確信し、小物体をラップに包み近医に受診し、寄生虫症として紹介された。臨床検査部にて虫体を生理食塩水中へ移し、片節および虫卵の観察を行った。片節は活発な運動を有し、虫卵は幼虫卵殻に覆われた六鉤幼虫で、無鉤条虫または有鉤条虫の鑑別は不能であった。文献検索にてアジア条虫を疑い国立感染症研究所にて条虫の遺伝解析を行ったところ、虫体はアジア虫体と同定された。日本寄生虫学会寄生虫症薬物治療の手引き(2010年)により無鉤条虫を駆虫した。
©Nankodo Co., Ltd., 2013