特集 活性イオウ分子種の生理機能に迫る チオールバイオロジーの新たなステージ
イオウによるtRNA編集の分子機構および生理機能
魏 范研
1
,
富澤 一仁
1熊本大学 生命科学研究部分子生理学分野
キーワード:
Adenosine
,
アンチコドン
,
転写後RNAプロセシング
,
tRNA
,
硫黄
,
核酸高次構造
,
小胞体
,
ミトコンドリア
,
タンパク質生合成
,
CDK5RAP1 Protein
,
CDKAL1 Protein
Keyword:
Adenosine
,
Anticodon
,
Endoplasmic Reticulum
,
Nucleic Acid Conformation
,
Mitochondria
,
RNA Processing, Post-Transcriptional
,
RNA, Transfer
,
Sulfur
,
Protein Biosynthesis
,
CDK5RAP1 Protein, Human
,
CDKAL1 Protein, Human
pp.384-388
発行日 2015年3月22日
Published Date 2015/3/22
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トランスファーRNA(tRNA)はタンパク質翻訳マシナリーを構成する中心的な小分子RNAである.近年,tRNAを構成する塩基において多彩な化学修飾が様々な生物種で発見・同定されている.これらの修飾のうち,イオウ修飾がtRNAのアンチコドンの近傍に多く存在することから,イオウによるtRNA編集はタンパク質翻訳における普遍的な制御機構として注目されている.本稿では,哺乳動物における細胞質tRNAおよびミトコンドリアtRNAの37位のアデノシンに存在するイオウ修飾に焦点を当て,その分子基盤および疾患との関連について概説する.
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