特集 新メカノトランスダクション:工学との融合が明らかにする力学刺激センサーの動作とシグナル伝達
細胞骨格・核のメカノトランスダクションとその解析技法 アクチンストレスファイバーから核への力の伝達
長山 和亮
1
1茨城大学 工学部知能システム工学科
キーワード:
Actins
,
レーザー
,
蛍光顕微鏡検査法
,
細胞核
,
細胞骨格
,
ストレスファイバー
,
メカノトランスダクション
Keyword:
Actins
,
Cytoskeleton
,
Cell Nucleus
,
Lasers
,
Microscopy, Fluorescence
,
Stress Fibers
,
Mechanotransduction, Cellular
pp.922-927
発行日 2014年8月22日
Published Date 2014/8/22
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最近,細胞の遺伝情報を格納している核に力が伝わることで,細胞の様々な機能が変化する「核のメカノトランスダクション」の可能性が考えられ始めている.筆者らは,核に力を伝える要素として収縮性細胞骨格であるアクチンストレスファイバーに注目している.独自開発したレーザーアブレーションシステムで,核に接触しているストレスファイバーの1点を切断すると,切断されて縮むファイバーに引っ張られながら核が大きく移動・変形した.このとき核内DNAの分布もダイナミックに変化した.このような細胞骨格から核への直接的な力の伝達は,分子の拡散を主体とした生化学的な反応だけでは説明できない,迅速かつ選択的な応答を成すために重要な役割を担っている可能性がある.
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