特集 新メカノトランスダクション:工学との融合が明らかにする力学刺激センサーの動作とシグナル伝達
アクチン動態変化による細胞分化の制御
信末 博行
1
,
加野 浩一郎
,
佐谷 秀行
1慶応義塾大学先端生命科学研究所 遺伝子制御研究部門
キーワード:
Actins
,
メカニカルストレス
,
細胞骨格
,
細胞分化
,
rhoA GTP-Binding Protein
,
Rho-Associated Kinase
,
PPAR Gamma
,
脂肪細胞分化
,
組織足場
,
間葉系間質細胞
,
MKL1 Protein
,
コミットメント(細胞分化)
,
転写コアクチベーター
,
YY1AP Protein
Keyword:
Actins
,
Cytoskeleton
,
Cell Differentiation
,
Stress, Mechanical
,
rhoA GTP-Binding Protein
,
Adipogenesis
,
PPAR gamma
,
Tissue Scaffolds
,
rho-Associated Kinases
,
Mesenchymal Stromal Cells
,
MKL1 Protein, Human
,
YY1AP1 Protein, Human
pp.961-966
発行日 2014年8月22日
Published Date 2014/8/22
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細胞分化は特異的な転写因子群の発現によって決定されると考えられている.他方,細胞は分化に伴って細胞の形を決定するアクチン細胞骨格を再構成し,分化細胞それぞれの機能に特徴的な形態へと変化することが知られていたが,このアクチン細胞骨格の組換えによる形態変化と分化という現象が,どのような分子機構でつながっているかは,ほぼ未解明のままであった.近年,細胞は足場の物性あるいは細胞骨格の張力といった機械的刺激(メカニカルストレス)に応答して,分化状態が制御されることが明らかにされつつある.筆者らは,アクチン細胞骨格の動態変化が引き金になって脂肪細胞へ分化誘導されるという現象を見いだし,その分子メカニズムを解明した.
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