特集 新メカノトランスダクション:工学との融合が明らかにする力学刺激センサーの動作とシグナル伝達
細胞-基質間接着のメカノトランスダクション
澤田 泰宏
1
,
平田 宏聡
,
原田 伊知郎
1名戸ヶ谷病院 ロコモティブシンドローム研究所
キーワード:
Actins
,
細胞間コミュニケーション
,
細胞骨格
,
細胞接着
,
フォーカルアドヒージョン
,
Crk-Associated Substrate Protein
,
メカノトランスダクション
Keyword:
Actins
,
Cytoskeleton
,
Cell Adhesion
,
Cell Communication
,
Focal Adhesions
,
Mechanotransduction, Cellular
,
Crk-Associated Substrate Protein
pp.950-954
発行日 2014年8月22日
Published Date 2014/8/22
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細胞におけるメカニカルストレスシグナル伝達(メカノトランスダクション)において最も重要なのが,細胞によるメカニカルストレス感知,すなわちメカノセンシングの機構であり,これを担う分子(あるいは分子複合体)がメカノセンサーである.近年,メカノセンサーの分子実体が明らかにされつつあるが,細胞- 基質間接着部(接着斑)におけるメカノセンシングは,細胞中心部へ向かうアクチン細胞骨格由来の牽引力によりメカノセンサー分子が伸展されるという単純な様式(図1)のみではないことがわかってきた.細胞は,局所での“つまみ”動作,細胞の最先端部の膜直下でのアクチン重合を力源とする基質の弱い“圧し”,さらには分子ゆらぎを利用した巧妙な仕組みで,周囲の物理的環境を認識していると考えられる.
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