特集 新メカノトランスダクション:工学との融合が明らかにする力学刺激センサーの動作とシグナル伝達
機械受容チャネルのメカノトランスダクション機構
曽我部 正博
1
,
澤田 康之
,
小林 剛
1名古屋大学 大学院医学系研究科メカノバイオロジーラボ
キーワード:
結晶学
,
細胞骨格
,
細胞膜
,
タンパク質高次構造
,
張力
,
パッチクランプ法
,
分子モデル
,
フォーカルアドヒージョン
,
ストレスファイバー
,
メカノトランスダクション
,
分子動力学シミュレーション
,
E coli MscL Protein
,
閾値
,
E coli MscS Protein
Keyword:
Cytoskeleton
,
Cell Membrane
,
Crystallography
,
Models, Molecular
,
Protein Conformation
,
Tensile Strength
,
Patch-Clamp Techniques
,
Focal Adhesions
,
Stress Fibers
,
Mechanotransduction, Cellular
,
Molecular Dynamics Simulation
,
MscL Protein, E coli
,
MscS Protein, E coli
pp.934-943
発行日 2014年8月22日
Published Date 2014/8/22
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およそあらゆる細胞は機械刺激に応答する.その最初のステップであるメカノトランスダクションの多くは,膜や細胞骨格の張力に応じる機械受容(MS)チャネルが担っている.その中でタンパク質の結晶構造がわかっているのは,細菌のMscLとMscSと呼ばれるMSチャネルのみである.この両者は,低浸透圧刺激による細胞膜張力の上昇で活性化するが,分子構造はまったく異なり,役割にも違いがある.本稿では両者の活性化機構の詳細と,その違いを中心に解説する.他方,真核生物のMSチャネルの多くはアクチン細胞骨格/接着分子と連携して周囲の機械的性質を検知し,細胞の増殖,分化や運動を調節することがわかってきた.ここではストレスファイバー/接着斑/MSチャネル複合体が基質を引っ張ることでその硬さを検知する“アクティブタッチ”について紹介する.
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