特集 臓器代謝ネットワーク:分子機構とその破綻による病態から臨床的意義まで
【第1部】臓器間相互作用の分子機構 臓器連関と免疫系
真鍋 一郎
1
1東京大学 大学院医学系研究科循環器内科
キーワード:
炎症
,
遊離脂肪酸
,
神経系
,
心臓血管疾患
,
心臓疾患
,
糖尿病-2型
,
動脈硬化症
,
免疫系
,
インスリン分泌細胞
,
メタボリックシンドローム
,
腹腔内脂肪
,
慢性腎臓病
Keyword:
Cardiovascular Diseases
,
Arteriosclerosis
,
Diabetes Mellitus, Type 2
,
Fatty Acids, Nonesterified
,
Immune System
,
Heart Diseases
,
Inflammation
,
Nervous System
,
Metabolic Syndrome
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Intra-Abdominal Fat
,
Insulin-Secreting Cells
pp.495-498
発行日 2014年4月22日
Published Date 2014/4/22
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生活習慣病の特徴として複数臓器の機能異常の併発と相乗的な疾患の進展がある.その背景には,多臓器間の連携機序の存在が強く示唆される.一方,慢性炎症は生活習慣病やがんに共通する基盤病態である.最近の研究により,免疫系が慢性炎症を制御し,臓器間連携を担う主要なシステムの1つであることが明らかになってきている.例えば,肥満において内臓脂肪組織に生じる炎症は,脂肪組織に留まらず,遠隔臓器の炎症プロセスを促進する.また,動脈硬化や心疾患,慢性腎臓病との相互作用についても分子メカニズムの解明が進んでいる.このように慢性炎症の拡大において免疫系が代謝系や神経系と連携することが明らかになっているが,さらなる多システム連携の解明が新たな治療標的の同定につながることが期待できる.
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