メタボリックシンドローム どう診断し、どう対処するか
動脈硬化性疾患のリスク病態、メタボリックシンドローム Adipo Do It!への取り組み
船橋 徹
1
1大阪大学 大学院医学系研究科内科学
キーワード:
栄養調査
,
死因
,
動脈硬化症
,
リスク
,
メタボリックシンドローム
,
腹腔内脂肪
Keyword:
Arteriosclerosis
,
Cause of Death
,
Nutrition Surveys
,
Risk
,
Metabolic Syndrome
,
Intra-Abdominal Fat
pp.5-11
発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007160107
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心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性疾患は、働き盛りの人々を突然襲い、死を免れたとしても大きな障害を残す。現在、世界的な問題となっているのは、飽食、運動不足を背景に、高血糖、高血圧、高脂血症を合併する病態である。各学会で定められた基準異常を二つ以上保有している人があれば、ウエスト測定という明確かつ簡便な方法で内臓脂肪蓄積の可能性を判断し、これを減少させることによって、最終的に動脈硬化性疾患の予防に繋げることを目標とする。同様の精神で、世界基準も統一された。リスクは連続的なので基準値の線引きよりも、個々に保健指導が有効か非かを判断する総合的な臨床力が問われる。もっとも重要なことは、飽食、運動不足から内臓脂肪蓄積、検査異常を経て、心筋梗塞や脳卒中など生命に関わる疾患まで繋がる病態という科学的な説明を行い、自発的なライフスタイルの変革をもたらすことである。
©Nankodo Co., Ltd., 2007