特集 がんにおける代謝リプログラミング:低酸素・低栄養環境で増殖するための戦略
がん幹細胞におけるシステイン代謝
吉田 剛
1
,
佐谷 秀行
1慶応義塾大学先端生命科学研究所 遺伝子制御部門
キーワード:
Cysteine
,
Glutathione
,
活性酸素
,
腫瘍幹細胞
,
CD44抗原
,
酸化ストレス
,
細胞内取込み
,
生合成経路
,
腫瘍微小環境
,
xCT Protein
,
SLC1A5 Protein
Keyword:
Cysteine
,
Endocytosis
,
Glutathione
,
Neoplastic Stem Cells
,
Reactive Oxygen Species
,
Hyaluronan Receptors
,
Oxidative Stress
,
Biosynthetic Pathways
,
Tumor Microenvironment
,
SLC1A5 Protein, Human
,
XCT Protein, Rat
pp.139-144
発行日 2014年1月22日
Published Date 2014/1/22
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がん幹細胞は未分化性を維持しつつ,自己複製能,多分化能を有しており,腫瘍組織内の性質や分化度が異なる細胞を生み出す起源となる細胞である.がん幹細胞は,酸化ストレス抵抗性,DNA損傷修復能,栄養飢餓耐性機構,代謝リプログラミングなど,多面的な形質を持つことが最近の研究で明らかにされつつある.とりわけシステインを基質とするグルタチオン(GSH)合成代謝は,細胞内酸化ストレスを低く維持することで,がん幹細胞の恒常性維持に重要な働きを果たすことがわかってきた.
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