特集 癌幹細胞の治療抵抗性とその打破
CD44vによる固形癌幹細胞の治療抵抗性メカニズム
永野 修
1
,
佐谷 秀行
1慶応義塾大学先端生命科学研究所 遺伝子制御研究部門
キーワード:
Cystine
,
Glutathione
,
腫瘍遺伝子発現調節
,
活性酸素
,
腫瘍幹細胞
,
腫瘍再発
,
腫瘍マーカー
,
放射線抵抗性
,
CD44抗原
,
酸化ストレス
,
抗腫瘍剤耐性
,
タンパク質アイソフォーム
,
分子標的治療
,
xCT Protein
,
固形腫瘍
Keyword:
Cystine
,
Glutathione
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Radiation Tolerance
,
Biomarkers, Tumor
,
Neoplastic Stem Cells
,
Gene Expression Regulation, Neoplastic
,
Reactive Oxygen Species
,
Hyaluronan Receptors
,
Oxidative Stress
,
Drug Resistance, Neoplasm
,
Protein Isoforms
,
Molecular Targeted Therapy
,
XCT Protein, Rat
pp.14-17
発行日 2011年12月22日
Published Date 2011/12/22
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近年,癌の治療抵抗性や再発に癌幹細胞が深く関わることが知られるようになり,癌幹細胞を標的にした治療法の確立が重要な目標として掲げられている.最近筆者らは,主要な癌幹細胞マーカーであるCD44のバリアントアイソフォーム(CD44v)が細胞膜上でシスチン・グルタミン酸トランスポーターを構成するxCTタンパク質と結合し,還元型グルタチオン(GSH)の生成を促進することで酸化ストレス抵抗性を高めることを見いだした.また,CD44vやxCTの阻害は腫瘍の増大を抑制し,抗癌剤への感受性増強を誘導することがわかった.これらの知見は癌幹細胞を標的とする新たな治療法の確立につながる可能性を秘めていると考えられる.
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