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Cell Technology Volume 34, Issue 4 （March 2015）

細胞工学 34巻4号（2015年3月発行）

特集活性イオウ分子種の生理機能に迫る　チオールバイオロジーの新たなステージ

RSSによる環境中親電子物質の解毒代謝熊谷嘉人 ¹ , 内田浩二 ¹筑波大学医学医療系環境生物学分野キーワード： Cysteine , Glutathione , Methylmercury Compounds , シグナルトランスダクション , 硫黄 , 環境汚染物質 , 薬物代謝性解毒 , 酸化-還元 , 有害物質 , 多剤耐性関連タンパク質 , NF-E2-Related Factor 2 , Kelch-Like ECH-Associated Protein 1 , 共有結合 Keyword: Kelch-Like ECH-Associated Protein 1 , Cysteine , Environmental Pollutants , Glutathione , Inactivation, Metabolic , Methylmercury Compounds , Oxidation-Reduction , Sulfur , Signal Transduction , Hazardous Substances , Multidrug Resistance-Associated Proteins , NF-E2-Related Factor 2 pp.358-363

発行日 2015年3月22日 Published Date 2015/3/22

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親電子物質はpKa値が低いタンパク質のシステイン残基に共有結合してレドックス（酸化還元）シグナル伝達に影響し，その曝露量が多いと非特異的なタンパク質の化学修飾が引き起こされ，細胞死を生じる．一方，生体は細胞内で産生，あるいは細胞外から侵入してきた親電子物質をグルタチオン（GSH）のような含イオウ求核低分子で不活性化し，多剤耐性関連タンパク質（MRP）を介して細胞外へ排泄する．本稿では，最近その実態が明らかにされ始めた活性イオウ分子（RSS）による環境中親電子物質の捕獲と，それに伴うレドックスシグナル伝達変動および解毒機序について紹介する．