特集 疾患エクソソーム:病をもたらすパンドラの箱がいま開かれる
Cell Tech Eye 走査型プローブ顕微鏡によるエクソソーム表面の物性解析
竹下 文隆
1
,
小暮 亮雅
,
藤井 岳直
,
本橋 憲行
,
落合 孝広
1国立がん研究センター研究所 分子細胞治療研究分野
キーワード:
吸着
,
腫瘍転移
,
弾性
,
乳房腫瘍
,
表面特性
,
三次元イメージング
,
走査型プローブ顕微鏡検査法
,
腫瘍細胞系
,
エクソソーム
,
空間分解能
Keyword:
Adsorption
,
Breast Neoplasms
,
Elasticity
,
Neoplasm Metastasis
,
Surface Properties
,
Microscopy, Scanning Probe
,
Imaging, Three-Dimensional
,
Cell Line, Tumor
,
Exosomes
pp.64-65
発行日 2012年12月22日
Published Date 2012/12/22
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- 文献概要
現在,血液・体液中のエクソソームやマイクロベシクル(以下,エクソソーム)およびエクソソームを受け取る細胞の指向性を利用したドラッグデリバリーシステム(DDS)が様々な疾患の新たな診断・治療法として期待されているが,その実現のためにはエクソソームの膜の特性の解明が必要となる.エクソソームの膜にはCD抗原などのテトラスパイン,インテグリン,リガンドなど様々なタンパク質や糖鎖の存在が確認されているものの(基礎の基礎参照),三次元形状や多くの物性についてはいまだ不明な点が多い.エクソソームの形態については電子顕微鏡による解析が主流だが,試料の固定や真空環境が必要となる場合がある.したがって,電子顕微鏡によるエクソソームの形態と,細胞培地や血液中など液体中に存在するエクソソームの形態が異なる可能性は否定できない.
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