特集 疾患エクソソーム:病をもたらすパンドラの箱がいま開かれる
【第1部:疾患とエクソソーム】 疼痛におけるmicroRNAならびに血中エクソソーム内の"分泌型microRNA"の役割
池上 大悟
1
,
山下 哲
,
落合 孝広
,
成田 年
1星薬科大学 薬理学教室
キーワード:
生物学的マーカー
,
遺伝子発現調節
,
疾患モデル(動物)
,
脊髄神経節
,
髄液
,
遺伝子発現プロファイリング
,
痛覚
,
疼痛-神経因性
,
MicroRNAs
,
エクソソーム
,
慢性疼痛
,
分子標的治療
,
髄液検査
Keyword:
Cerebrospinal Fluid
,
Disease Models, Animal
,
Ganglia, Spinal
,
Gene Expression Regulation
,
Neuralgia
,
Biomarkers
,
Gene Expression Profiling
,
MicroRNAs
,
Exosomes
,
Chronic Pain
,
Molecular Targeted Therapy
pp.48-51
発行日 2012年12月22日
Published Date 2012/12/22
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痛みは,重要な生体反応であるにもかかわらず,慢性疼痛は実質的な組織損傷が消失あるいは修復に向かっていても痛覚伝達系が持続的に活性化され,生体にとって痛みを提供するだけの病態像そのものになってしまうことが多い.近年注目されているmicroRNA(miRNA)が,痛覚伝達に関わるタンパク質の発現を調節している可能性が考えられている.そこで本稿では,疼痛下の脊髄,脳ならびに血中エクソソームに含有されるmiRNAの発現変動に着目し,慢性疼痛形成の分子機構の解明ならびに臨床での疼痛診断バイオマーカーとして,さらにはターゲットタンパク質の調節による治療への応用の可能性を紹介する.
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