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Cell Technology Volume 30, Issue 9 （August 2011）

細胞工学 30巻9号（2011年8月発行）

特集 Hippo pathway:癌･細胞死･再生の新たな鍵を握る器官サイズ制御シグナル

腎臓･肺形成とHippo pathway 栗原裕基 ¹ , 三谷明久 , 牧田亨介 ¹東京大学大学院医学系研究科代謝生理化学キーワード：シグナルトランスダクション , 腎臓疾患 , 線毛 , 器官形成 , 腎嚢胞-多発性 , 肺気腫 , 肺疾患 , リン酸化 , 発生遺伝子発現調節 , 細胞極性 , ノックアウトマウス , Drosophila Hpo Protein , GLIS1 Protein , WWTR1 Protein Keyword: Cilia , Kidney Diseases , Polycystic Kidney Diseases , Lung Diseases , Phosphorylation , Pulmonary Emphysema , Signal Transduction , Cell Polarity , Mice, Knockout , Gene Expression Regulation, Developmental , Organogenesis , Hpo Protein, Drosophila , GLIS1 Protein, Human , WWTR1 Protein, Human pp.948-954

発行日 2011年8月22日 Published Date 2011/8/22

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文献概要
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転写コアクチベーターTAZ（WWTR1）は，LATSによるリン酸化により核移行が制御されるHippo pathwayのエフェクター分子である．TAZノックアウトマウスにおける腎臓と肺の形成異常は，器官形成におけるHippo pathwayの新たな役割を明らかにした．腎臓においては，TAZは一次繊毛の機能やPCP pathwayと関連して正常なネフロン構造の形成に寄与し，その異常は腎嚢胞の形成を引き起こす．肺においては，肺胞の二次中隔形成に寄与し，その異常は肺気腫様病変をもたらす．管腔構造や隔壁形成など，細胞の極性や方向性を制御する機構におけるHippo pathwayの役割が今後注目される．