特集 免疫応答の負の制御:免疫恒常性の維持と疾患治療への応用
新たな免疫抑制剤開発標的としてのRac活性化因子DOCK2
福井 宣規
1
1九州大学生体防御研究所 免疫遺伝学分野
キーワード:
シグナルトランスダクション
,
移植片拒絶
,
細胞運動
,
自己免疫疾患
,
自然免疫
,
免疫抑制剤
,
T細胞
,
rac GTP-Binding Proteins
,
新薬開発
,
獲得免疫
,
分子標的治療
,
DOCK2 Protein
,
形質細胞様樹状細胞
Keyword:
Autoimmune Diseases
,
Cell Movement
,
Graft Rejection
,
Immunity, Innate
,
Immunosuppressive Agents
,
T-Lymphocytes
,
Signal Transduction
,
rac GTP-Binding Proteins
,
Drug Discovery
,
Adaptive Immunity
,
Molecular Targeted Therapy
pp.1227-1231
発行日 2013年11月22日
Published Date 2013/11/22
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DOCKファミリーは線虫から哺乳類に至るまで保存された分子で,低分子量 Gタンパク質の上流で機能することで細胞骨格の制御に関わっている.筆者らは,免疫系特異的に発現する分子として DOCK2を同定し, DOCK2がケモカイン受容体や抗原受容体の下流で機能する Rac活性化のマスター制御分子であり,リンパ球の遊走・活性化に重要な役割を演じることを明らかにした.また最近では, DOCK2が自然免疫応答においても重要な役割を演じることを見いだすとともに, DOCK2が移植片拒絶や自己免疫疾患をコントロールするための分子標的になることを実証した.本稿では,DOCK2の機能や構造,シグナル伝達に関して概説するとともに,創薬に向けた筆者らの取り組みを紹介する.
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