特集 活性イオウ分子種の生理機能に迫る チオールバイオロジーの新たなステージ
RSSによるGタンパク質/TRPチャネルシグナル制御
西田 基宏
1
,
森 泰生
1自然科学研究機構・基礎生物学研究所岡崎統合バイオサイエンスセンター 心循環シグナル研究部門
キーワード:
Cysteine
,
翻訳後タンパク質プロセシング
,
シグナルトランスダクション
,
硫黄
,
活性酸素
,
酸化-還元
,
心不全
,
GTP-Binding Proteins
,
ras Proteins
,
Transient Receptor Potential Channels
,
代謝ネットワークと経路
,
Xenopus DRP1 Protein
,
8-Nitroguanosine 3',5'-Cyclic Monophosphate
Keyword:
Cysteine
,
Heart Failure
,
Oxidation-Reduction
,
Protein Processing, Post-Translational
,
Sulfur
,
Signal Transduction
,
Reactive Oxygen Species
,
ras Proteins
,
GTP-Binding Proteins
,
Transient Receptor Potential Channels
,
Metabolic Networks and Pathways
,
DRP1 Protein, Xenopus
,
8-nitroguanosine 3',5'-cyclic Monophosphate
pp.366-371
発行日 2015年3月22日
Published Date 2015/3/22
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酸素由来の活性分子種〔活性酸素種(ROS)や親電子物質〕をリガンドとするシグナル伝達・機能応答の多様性は,リガンドの種類や生成量だけでなく,レセプター(レドックスセンサータンパク質)の翻訳後修飾の部位・安定性によっても巧妙に制御されている.最近の研究から,レドックスセンサータンパク質に含まれるレドックスアクティブなシステインが求核性の高い活性イオウ分子(RSS)として翻訳後修飾の可逆性を担保している可能性が示されてきた.本稿では,生体内センシング機構における代謝経路とイオンチャネル経路の代表格である,Gタンパク質とTRPチャネルを例にとり,それらのレドックスシグナル制御におけるRSSの役割とその生理学・病態生理学的意義について紹介する.
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