特集 生物リズムの発振機構:生命の時間をデザインする
哺乳類概日時計の設計原理 発現時刻制御、遅れ、温度補償性の分子機構
中嶋 正人
1
,
鵜飼 磨貴[蓼沼]
,
上田 泰己
1理化学研究所生命システム研究センター 合成生物学研究グループ
キーワード:
温度
,
転写
,
哺乳類
,
生理学的フィードバック
,
遺伝子発現調節ネットワーク
,
概日時計
,
補償作用(生理学)
Keyword:
Mammals
,
Temperature
,
Transcription, Genetic
,
Feedback, Physiological
,
Gene Regulatory Networks
,
Circadian Clocks
pp.1282-1287
発行日 2011年11月22日
Published Date 2011/11/22
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哺乳類の概日時計は,外界の環境変化によらず安定な振動を保ち続ける.哺乳類概日時計システムは,どのような設計原理に基づき,ロバストネス(頑健性)や安定性などを獲得しているのであろうか.本稿ではまず,概日時計の転写ネットワーク構造と,ネットワークに実装された遺伝子発現時刻制御や遅れをもたらす分子機構に関する現在までの知見を紹介する.さらに概日時計システムの重要な特性である温度補償性の分子機構を明らかにする研究を紹介する.最後にこれらの知見をもとに,概日時計に共通して見られる,転写ネットワークと構成分子に実装された概日時計の設計原理について考察する.
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