特集 生命システムのロバストネスとは何か?
【第1部】細胞レベルのロバストネス 生命システムのロバストネスを数理的に理解する
望月 敦史
1
1理化学研究所 望月理論生物学研究室
キーワード:
シグナルトランスダクション
,
生体高分子
,
器官形成
,
ユウレイボヤ
,
生物モデル
,
発生遺伝子発現調節
,
生理学的フィードバック
,
遺伝子発現調節ネットワーク
,
分子動力学シミュレーション
,
複雑系
Keyword:
Biopolymers
,
Ciona intestinalis
,
Models, Biological
,
Signal Transduction
,
Gene Expression Regulation, Developmental
,
Feedback, Physiological
,
Organogenesis
,
Gene Regulatory Networks
,
Molecular Dynamics Simulation
pp.37-42
発行日 2013年12月22日
Published Date 2013/12/22
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多数の分子が複雑に相互作用するシステム全体のダイナミクスから,生命機能が生まれるのだとわかってきた.複雑なシステムのダイナミクスを理解するために,数理的方法が新しい手法として期待されている.本稿では,ネットワークの形だけからダイナミクスを捉える理論を紹介し,その結果を元に制御ネットワークの形が作り出すロバストネスについて考察する.システム全体のダイナミクスは一部の分子のみで捉えられること,またそれらの分子はネットワークの構造だけから決定できることを理論的に示す.実際の生命システムを用いて,ネットワーク上の制御に撹乱を与えてもシステム全体を代表する分子が変わらない例や,撹乱に対する強弱の差がネットワークの構造から決まる例を示す.
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