特集 神経免疫:多発性硬化症、脳虚血、アルツハイマー病、精神疾患における炎症反応と免疫異常
神経変性疾患に対する免疫療法の現状
大野 美樹
1
,
漆谷 真
1滋賀医科大学分子神経科学研究センター
キーワード:
Alzheimer病
,
筋萎縮性側索硬化症
,
疾患モデル(動物)
,
タンパク質変性
,
変異
,
免疫療法
,
タンパク質折畳み
,
神経変性疾患
,
一本鎖抗体
,
分子標的治療
,
Superoxide Dismutase-1
Keyword:
Superoxide Dismutase-1
,
Alzheimer Disease
,
Amyotrophic Lateral Sclerosis
,
Disease Models, Animal
,
Immunotherapy
,
Mutation
,
Protein Denaturation
,
Protein Folding
,
Neurodegenerative Diseases
,
Single-Chain Antibodies
,
Molecular Targeted Therapy
pp.1054-1059
発行日 2011年9月22日
Published Date 2011/9/22
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神経変性疾患は病因タンパク質の構造異常を分子基盤としたコンフォメーション病と考えられている.免疫療法により異常タンパク質を除去する試みはアルツハイマー病から始まったが,現在パーキンソン病,筋萎縮性側索硬化症,ハンチントン病といった他疾患のモデル動物でも有効性が確認されている.さらに近年,病原タンパク質が細胞外に放出され,病原性が伝播するというプリオノイド仮説が提唱され,神経変性疾患に対する免疫療法は病態に基づく合理的治療として認識されつつある.モノクローナル抗体に由来する一本鎖可変領域フラグメント(scFv)を用いた細胞内抗体も成果を上げており,免疫療法は神経変性疾患に対する分子標的治療としても有望である.
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