特集 ストレス応答性転写因子:その新機能とがん、免疫・代謝・変性疾患との関係
熱ショック因子によるプロテオスタシス制御と疾患
瀧井 良祐
1
,
中井 彰
1山口大学 大学院医学系研究科医化学分野
キーワード:
ヌクレオソーム
,
遺伝子発現調節
,
加齢
,
腫瘍
,
タンパク質
,
Heat-Shock Proteins
,
ホメオスタシス
,
タンパク質折畳み
,
神経変性疾患
,
タンパク質恒常性障害
,
Heat Shock Transcription Factors
Keyword:
Heat Shock Transcription Factors
,
Aging
,
Homeostasis
,
Heat-Shock Proteins
,
Gene Expression Regulation
,
Nucleosomes
,
Neoplasms
,
Proteins
,
Protein Folding
,
Neurodegenerative Diseases
,
Proteostasis Deficiencies
pp.706-710
発行日 2014年6月22日
Published Date 2014/6/22
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すべての生物は,熱ストレス刺激に対して熱ショック因子(HSF)を介する遺伝子発現調節により適応する仕組みを持つ.これは熱ショック応答と呼ばれ,細胞内に生じたミスフォールディングタンパク質に対処できる容量(プロテオスタシス容量)の主要な調節機構の1つである.最近,生理的条件下で,HSFが熱ショックタンパク質(HSP)やHSP以外のタンパク質の発現調節を介して老化や神経変性疾患などの進行を抑制し,一方でがんの発生や進展を促進することがわかった.その際,HSFが構成的にヌクレオソーム構造をとるDNAへ安定に結合して遺伝子発現を調節する分子機構も明らかとなってきた.
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