第2特集 ブッダに学ぶ生老病死─臨床と仏教─
臨床と仏教の接点
プライマリ・ケアにおける仏教寺院・かかりつけ僧との連携
-─高応寺における「がんカフェ」の実践から─
酒井 菜法
1,2,3
1高応寺 住職
2日蓮宗相談事業協会 会長
3認定臨床宗教師
pp.1590-1593
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2025120014
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はじめに
本稿では,高応寺(埼玉県三郷市)における「がんカフェ」の取り組みを通じて,宗教者と医療従事者の協働による新しいプライマリ・ケアの可能性を探る.日本の伝統的仏教文化と地域社会とのつながりを活かし,寺院が「祈り」や「スピリチュアルケア」の場として果たす役割に注目する.高応寺の活動は,地域における精神的・社会的支援の拠点として,現代的意義をもつ「かかりつけのお寺」=宗教的サードプレイスの機能を果たしており,「無財の七施」や「四苦八苦」といった仏教の教えが,現代のケアにも通底することを示す.

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