Sweet Spot 絵画に見るリハビリテーション
ヒエロニムス ボッシュの「Mendikant(乞食僧)」
明石 謙
1
,
明石 素子
2
1川崎医科大学リハビリテーション科
2武蔵野美術大学大学院造形研究科
pp.279
発行日 1996年3月10日
Published Date 1996/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108068
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ボッシュは1450年以後,大方の説では1453年に画家,アントニアスファンアーケンの息子として現オランダのロッテルダムの南東にあるs'Hertogenbosch(仮にスヘルトーヘンボッシュとします.)に生まれました.ここまで書くのに外国語の発音をカナで現すことの難しさを味わっています.つまりボッシュはボッス,スヘルトーヘンボッシュはセルトーヘンボッスが原語に近いのかも知れません.とにかく話を前に進めます.彼の姓はアーケンが正式なのかもしれませんが,有名になるに従いスヘルトーヘンボッシュの終わりのボッシュが姓となったようです.有名なわりには残っている作品は少ないようで,画家であれば普通数百枚は残っている素描が,ボッシュは僅か30枚程度しか残っていないと言われています.ボッシュは画家としての名声を得て豊かな生活を送り,同じ町で1516年に死去しました.われわれの眼から見れば奇怪な絵を多く残していますが,それらには比喩や教訓が描かれていると言われています.
写真は数年前観光で訪れたベネチアのデュカーレ宮でボッシュの特別展が開催されており,運よく見ることができました.ちょうどA4程度の大きさの銅版画でした.この絵があることは知っていましたが,実物を見た時の感激はうまく言い表すことができません.
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