第2特集 月経痛・PMSを診よう
月経痛・PMSをケアしよう
ジエノゲストとGnRHアナログ療法の使い方
高橋 孝幸
1
1国家公務員共済組合連合会立川病院 婦人科
pp.1188-1195
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2025090029
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Point
▶ ジエノゲスト(ディナゲスト)(2 mg 連日経口投与)は子宮内膜症・月経困難症の疼痛を抑え,病変の増殖を抑制する効果が高い.長期反復使用が可能であり,慢性疾患の管理に適する1).
▶ レルゴリクス(レルミナ®)によるGnRH アンタゴニスト療法は卵巣機能を強力に抑制して偽閉経状態を作り,短期間で疼痛を著明に軽減する.一方でほてり・発汗など更年期様症状や骨密度低下への対策が必要となる.
▶ 低用量エストロゲン・プロゲスチン補充(add-back療法)はGnRHアナログ療法を6 ヵ月超継続する際に併用し,副作用の軽減と骨密度の保護を図る.具体的にはエストラジオール(ジュリナ®)1 mg +ノルエチステロン(ノアルテン®)0.5 mg の併用により更年期様症状が緩和され,骨量減少も最小限に抑えられる2).
▶ 治療の選択は患者の年齢・妊孕性の希望・症状の重症度・合併症に応じて検討する.若年で将来的に妊娠希望がある場合はまず低侵襲かつ副作用の少ない治療から開始し,効果不十分ならジエノゲスト,重篤例ではGnRH アナログ(経口GnRH 受容体拮抗薬 レルゴリクス(レルミナ®)など)を検討する.

Copyright© 2025 NANZANDO Co.,Ltd. All Rights Reserved.