今月の臨床 月経異常に対するホルモン療法を極める!―最新エビデンスと処方の実際
月経困難症・過多月経
黄体ホルモン製剤
経口黄体ホルモン製剤の使い方―ジエノゲストを中心に
篠原 康一
1
1愛知医科大学産婦人科
pp.1053-1059
発行日 2021年11月10日
Published Date 2021/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210520
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●囊胞性病変を伴わない子宮内膜症の疼痛は,低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)もしくはプロゲスチンを使用する.プロゲスチンにはジドロゲステロンとジエノゲストが子宮内膜症に対して保険適用がある.
●ジエノゲストは,プロゲステロン作用の特異性が高く,アンドロゲン作用などの副作用が少ない特徴により,単独で長期に使用可能であり,LEP製剤でコントロール不良な症例にも有効性が期待されている.
●高度の子宮腫大または重度の貧血のある患者では,出血症状が増悪し,大量出血を起こすおそれがある.「子宮体部の最大径が10cm(新生児頭大)以上または子宮筋層最大厚4cm以上の患者」および「ヘモグロビン値8.0g/dL未満の患者」には別の治療を検討する.またジエノゲスト服用中には予期せぬ妊娠や,卵巣チョコレート囊胞や子宮腺筋症の悪性化にも十分注意を要する.
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