連載 総合診療POEMs ─診療で使える!旬なオススメ文献─ 第16回
週1回の超持効型溶解インスリンは毎日に劣らずとも優れる?
岡田 悟
1
,
児玉 崇志
2
1東京北医療センター 総合診療科
2地域医療振興協会 いびがわ診療所
pp.342-345
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2024030022
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週1回の超持効型溶解インスリン「イコデク注1」は既存のインスリン に劣らず,むしろ優れているかもしれない
糖尿病の患者数は328万9,000人であり,国民の2.5 %が糖尿病に罹患している1). 一方で,毎日のインスリンが障壁となり,高血糖(≒心血管リスク)を黙認せざるを得 ない状況も多い. 総合診療医/プライマリ・ケア医として外来や在宅で遭遇する血糖コントロールの 悪い糖尿病患者には高齢者も多く,視力障害・精神疾患・脳卒中後遺症などさまざま な併存疾患が障壁となる.生活環境も独居,家族も併存疾患があるなど,毎日注射を できないことを理由にインスリンの導入をあきらめることも少なくない.本論文は, わが国・アメリカともに申請後承認待ち(2024 年1 月6 日現在)ではあるものの,現 場のニーズに応える週1回超持効型インスリン(Icodec,イコデク,アイコデック)と 1日1回の従来型インスリン(グラルギン)の非劣勢試験である.
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