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特集 インスリン治療のエキスパートになる
10のコツ
2型糖尿病に対するインスリン治療のコツ
持効型インスリンアナログを主体とした治療―持効型インスリンを用いた新しいインスリン治療法レシピとは
Long acting insulin analogue as a tool of novel combination therapy using insulin and OADs
弘世 貴久
1
1順天堂大学内科学代謝内分泌学講座
キーワード:
インスリンアナログ
,
スルホニル尿素薬
,
グリニド薬
Keyword:
インスリンアナログ
,
スルホニル尿素薬
,
グリニド薬
pp.351-355
発行日 2006年3月15日
Published Date 2006/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100098
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Case 1 現在の内服治療に1日1回のインスリン注射を加える
患者:51歳男性.42歳時に検診で糖尿病を指摘され近医受診.SU薬を含む内服治療を開始された.50歳時,SU薬極量に至ってもHbA1Cが8~9%から改善しないため当院受診.身長170 cm,体重72 kg.まずは食事療法,運動療法の指導を再確認,再指導した.しかし,1カ月後のHbA1Cも8.9%と改善を認めなかったためインスリン治療について患者本人と相談した.本来当院では外来でのインスリン導入には超速効型インスリンの3回注射を用いるのが通例であったが,1)患者が3回の注射にかなり抵抗を示した,2)患者の性格上3回の注射のコンプライアンスに疑問があった,などの理由でSU薬は継続したまま持効型溶解インスリングラルギンを上乗せした.グラルギンは朝食時にSU薬の内服と同時に4単位から開始した.空腹時血糖値と低血糖の有無を確認しながら,徐々にグラルギンを増量した.朝食時10単位まで増量した頃空腹時血糖値は100~120 mg/dL程度で安定した.グラルギン上乗せ6カ月後にはHbA1Cが6.5%まで改善した.
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