発達障害×脳・心血管障害

発達症と脳・心血管疾患の関係

　発達症と脳・心血管疾患（cerebral/cardiovascular disease：CVD）発症の関連に関し ては，発達症の1つであるADHD の症例において，性別および出生年を調整後の解析で ADHD群におけるCVD発症リスクは非ADHD群の2.05倍であり，さらにADHDによる CVD発症のリスクは，既知の危険因子および併存する精神疾患では関連性を完全に説明す ることはできなかったと報告されている^1）．さらに発達症の1つである自閉スペクトラム 症（autism spectrum disorder：ASD）では，心疾患の発症が1.46倍と有意に高かったと 報告されている^2）．このように発達症は，それ自体がCVD発症のリスクファクターである 可能性が高いと考えられる．