特集 発達障害×慢性疾患
発達障害×慢性疾患 ケースレポート
発達障害×肥満・2型糖尿病
鈴木 一恵
1
1東京都立松沢病院 内科
pp.944-948
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023080003
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本症例は小児期から数字に強い興味があり,診察時に毎回体重測定を行っているが前回 の体重を覚えており体重増減については認識でき,検査結果を毎回時系列で印刷し説明を 行っているが検査結果の変化も理解されていた.自身の体重が増加し血糖管理が悪化して いることは理解しているものの,高血糖にて体調不良や倦怠感が出現しているため,内科 に入院し血糖管理を行う必要があることを繰り返し説明しても入院になかなか結びつかな かった.病識の欠如はなく治療の必要性も理解しているが内科入院を決断できない様子で あった.また,本人から金銭面の問題があり入院できないとの発言もあり家族に連絡を 行った.家族からは,「体調が悪化し,心配していた.即入院をさせてほしい」とのことで あった.本人に伝えると入院を快諾し,入院直後に「安心しました」と表情が穏やかになっ たことが印象的であった.ASDの特性に対応した治療を行う方針とした.
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