今月の主題 循環器〈生理検査〉
カラーグラフ
川崎病の心血管障害
一ノ瀬 英世
1
,
加藤 裕久
1
1久留米大学医学部小児科
pp.352-355
発行日 1983年4月15日
Published Date 1983/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911841
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川崎病は1967年に川崎博士によって初めて記載され,年々増加の傾向にある.当初,予後良好な疾患と考えられていたが,心血管障害のための急死や虚血性心臓病を起こすことがわかってから,冠動脈瘤後遺症が注目されてきた.病理学的にみると川崎病は全身の中小動脈の系統的血管炎症候群であり,全経過1〜2か月の急性炎症性疾患である.臨床的には川崎病後遺症としての冠動脈瘤の発生と,血栓性閉塞による突然死が問題となり,アスピリンなどの抗血栓療法が重視されている.病因はまだ不明であるが,最近は感染症もしくは感染性作因に対する急性反応が注目されている.
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